店舗経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を科学するウェブマガジン

スシローにみるビッグデータを駆使したIT活用モデル アイキャッチ画像

スシローにみるビッグデータを駆使したIT活用モデル

マーケティング
  • hatena

今回は、最近何かと話題の多いスシローのITを駆使した取り組みについてご紹介したいと思います。

引用:ビッグデータの高速分析で、隠れていた課題や問題点を可視化回転寿司業界のNo.1を支える迅速な経営判断と店舗オペレーションを実現

スシローは、日本一フライドポテトの美味しい回転寿司チェーンだとか、ITを駆使した戦略がすごいなど、最近多方面でその名前を耳にします。

そんな話題の絶えないスシローのITを駆使した業務改善の成功例を紹介します。

スシローのIT活用1

スシローのIT活用例の1つ目は、すし皿へのICチップ取り付けです。2012年からスシローでは、回転レーンを流れるすべての寿司皿にICチップを取り付け「どこの店で、何の寿司ネタが、いつ、どのテーブルで注文されたか」といったデータを毎年10億件以上蓄積しています。このデータにより、来店客のニーズを把握し、分析データと店長の勘・経験を合わせることで、タイムリーに食べたい握り寿司を提供しているといいます。

これにより、それぞれのお客様の好みの商品に絞った製造が可能となり、、多くのムダを排除することに成功したといえます。

スシローのIT活用2

スシローによるIT活用例の2つ目は、分析ツールの導入です。

スシローでは以前Excelで商品開発、店舗のオペレーションに関する分析を行っていましたが、膨大なデータの分析に時間を要するといった課題がありました。この問題を解決するため、2012年に分析のためのBIツール(QlikView)を導入し、業務の効率化を計っています。

この分析プラットフォームは、連想技術により膨大なデータを瞬時に可視化することができるツールです。これにより、業務課題やその解決策の発見につなげることができます。

積極的なIT活用の成果

スシローは上記の取り組みから、レーンを流れて時間のたった寿司皿の量を減らし、廃棄量を4分の1におさえることに成功しています。

基本原価率が50%というスシローで、廃棄量を4分の1におさえられたという成果は、かなり大きいのではないでしょうか。

また分析ツールの導入により、これまで週次で作成していたレポートを即座に提供できるようになり、商品開発や現場からのデータ抽出の効率が大幅に改善されたといいます。

これにより、業務課題とその解決策の早期発見につながり、業務改善やマーケティングに役立てられています。

回転寿司レーン

引用:山口宇部のグルメを紹介したいのよ

新しいIT活用における積極性

本題からは少し外れてしまいますが、リクルートが、提供中のPOSレジアプリ「Airレジ」にて、クラウド会計サービス「freee」と連携することを発表しました。

「Airレジ」が「freee」と連携することにより、日々の売上管理から会計帳簿の作成など、店舗運営に必要となる会計まわりの作業を大幅に簡略化できるといいます。

近年、上記のようなサービスの登場により、大規模なシステムを導入せずとも店舗データの蓄積や分析を行うことが可能になってきています。

店舗へのIT導入のハードルが下がりつつある中、最も大切なことはスシローの取り組みのように、分析から得たデータを積極的に活用するという姿勢ではないかと思います。

まとめ

スシローは2011年に業界売上高No.1となり、その後もIT導入などの積極的な業務改善への取り組みから、2012年、2013年と3年連続で業界売上高No.1を維持しています。

繰り返しとなってしまいますが、スシローは、積極的に新しい技術やシステムを導入することにより、IT利便性を最大限に生かし、客のニーズに応え、ムダを減らし、早急な業務改善をすることを可能にしています。こうした取り組みこそが店舗の利益へと繋げる一番の秘訣なのではないでしょうか。

SHOPFORCE(ショップフォース)連携のアプリ「スタンプス」でも、データ分析の機能を充実させていくことで、店舗様へのIT導入をご支援してまいります!