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飲食店のアプローチに効果的な日時とは?ユーザー動向から探る

顧客エンゲージメント
  • hatena

飲食店情報をよく見ている時間や、実際に来店が多い曜日などを知る事ができるとよりメルマガやメッセージで効果的に配信が出来たり、来店が多い日のアプローチ/少ない日のアプローチなどの戦略を立てることが可能になります。

今回はユーザー動向から「飲食店のアプローチに有効な日時」のヒントを見つけたいと思います。

クックパッドとは?飲食店のアプローチを解説

インターネットが登場する前は、本を買ってみたりテレビ番組で見たり、あるいはスーパーにおいてある小さな紙を取ってくるしかレシピを知る手段しかありませんでした。それが、インターネットの登場で今では簡単にレシピを知る事が出来るようになりました。

インターネットレシピサイトの中でも最大規模を誇る「クックパッド」は、20~40歳の女性を中心に月間5700万人に利用される大人気サイトとなりました。しかしなぜそこまで人気となったのでしょうか。

何といっても投稿者にとって投稿したいと思わせる機能が優れているからです。投稿後にそのレシピを見て作った他のユーザーさんから写真を付けられるコメント欄「つくれぽ」(つくりましたフォトレポート)を投稿出来る様になっています。これが投稿者の満足度を高めてくれる仕掛けです。更に、つくれぽが貯まっていくと、「話題のレシピ」や「殿堂入りレシピ」としてランクインされていきます。

これの何が嬉しいかというと、自分の作ったレシピを他の主婦がつくれぽという形を通して褒めてくれるという点です。こういうシステムを利用すれば、仮に自分の家族(旦那や子ども)が褒めてくれなくても、食卓の作り甲斐があるというものです。

これと飲食店との関係を知るにはクックパッドの利用数が少ない時を知れば良いのです。なぜならそこが1番外食に出かける確率が高いという事だからです。

アプローチを考える上で重要な週の中で飲食店に行く回数が多い曜日とは?

クックパッド出典:『クックパッド』で特売情報が見れるように! レシピだけじゃなく安い食材も見つけられるようになったぞ

2016年2月の月間利用者数が6,269万人(前年同月比11%増)となり、6,000万人を突破している人気のレシピ検索アプリ「クックパッド」。多くの方が膨大なレシピの中から「今日は何を作ろうかな?」と主に家で食事をとる時(内食)のメニューの参考として利用されています。

どのような時間帯に多く使われているか?

クックパッド 利用時間帯出典:週の中で外食が多い曜日とは?クックパッドを分析してみた。[O2O活用事例]

上図をみると午前9時頃からアクティブ率が上がりはじめ、お昼の12時に一旦ピークを迎えます。こちらは昼食の準備のためのレシピ検索で利用率が伸びているのでしょう。つづいて15時頃からアクティブ率が上がりはじめ、17時-18時帯にピークを迎えます。

夕食の準備のためのレシピ検索が活発化しているのでしょう。そして19時以降はアクティブ率が減少していきます。SNS利用のピークタイム は21時〜22時というデータもあるため、レシピ検索アプリならでは特徴的な結果となりました。

外食は「土曜日」が多い?

内食のために主に利用される「クックパッド」と、外食のために主に利用される「食べログ」。双方の月単位利用実態のデータを比較してみると”週の中で外食の多い曜日”の傾向が分かってきます。

クックパッド:2015年6月のDAU推移
出典:週の中で外食が多い曜日とは?クックパッドを分析してみた。[O2O活用事例]
【クックパッド:2015年6月のDAU推移 ※DAU (Daily Active Users): そのアプリの対象期間における、日間アクティブユーザー数であり、1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数】

青色の部分が土曜日です。
上記グラフをみると毎週土曜日はDAUが減少していることがわかります。

土曜日はレシピを検索する人が少ない=料理をしない日=外食をする日という仮説を立てます。
次に、外食するお店を検索できるグルメアプリ「食べログ」の2015年6月のDAU推移をみてみます。
食べログ:2015年6月のDAU推移

クックパッド:2015年6月のDAU推移出典:週の中で外食が多い曜日とは?クックパッドを分析してみた。[O2O活用事例]

上のグラフにより「土曜日は外食する人が多い」という仮説の通り、「食べログ」のDAUが土曜日に伸びていることが把握できました。月によってDAU遷移は変動しますが、「土曜日は外食が多い」傾向が見られました。

アプローチを考える上で重要な飲食店の情報を調べている曜日/時間帯は?

食べログは、【ユーザーからの口コミ情報】と【お店からのオフィシャル情報】とによって作られる国内最大級のグルメサイトです。月間利用者(ユニークユーザー)は約7,192万人/月(2015年12月現在)。

お店からの情報だけでなく、食べに行ったお客様からの口コミが載るので、お店の雰囲気やメニューがわかりやすいため「今度どこのお店に食べに行こう?」と外食をするお店を見つける時に便利なサイトです。

いつ、何を使って検索しているか?

いつ、何を使って検索しているか?

時間帯別現在地検索(今いる場所からお店を探す機能)の利用状況

時間帯別現在地検索(今いる場所からお店を探す機能)の利用状況

上記の2つのグラフから曜日別に見ると「どこにいこうか?」と検索をする平日にはPC版を多く利用。特に予定を立てるため水曜日や木曜日のPC利用率が高い事が分かります。

そして、「実際に現地でお店などを調べる金曜日や土曜日にはスマホ版を利用するという傾向があることがわかります。また、時間帯別検索をする際にはスマホ版・携帯版のどちらも、ランチとディナーの時間帯に現在地検索が行われている事がわかります。

2つのアプリから飲食店のアプローチを考えてみる

クックパッドの利用率を調べてみると、午前9時頃からアクティブ率が上がりはじめ、お昼の12時に一旦ピークを迎えます。こちらは昼食の準備のためのレシピ検索で利用率が伸びると考えられます。

つづいて15時頃からアクティブ率が上がりはじめ、17時-18<時帯にピークを迎えます。夕食の準備のためのレシピ検索が活発化していると思われます。そして<19時以降はアクティブ率が減少していきます。 しかし、土曜日になるとその利用率がグンと下がります。同時に食べログの利用率を探ってみるとスマホ版は土曜日に最も利用率が上がっている事から、外食が多くなるのは土曜日だという事が分かりました。ですから、メルマガやメッセージで効果的に配信するなど、来店が多い日のアプローチは土曜日にかけて行うと最も効果的だという事が分かります。 しかし食べログのPCサイトの利用率から土曜日の外食をどこにするかが水曜~木曜で多くなっている事も見逃せません。ここでも、メルマガの発信やクーポンの発行などをしても効果的なのではないでしょうか。 一方で、その他の曜日は外食の利用率が少なくなるという事が考えられます。特にクックパッドでは月曜日の利用が多く、食べログでも火曜が最も利用率が下がっているところもある事から、来店の少ない日のアプローチをクーポン発行などで行ってみるのもありなのかも知れません。

飲食店のアプローチに効果的な日時とは?ユーザー動向から探るのまとめ

「食事」は日々の生活と密接なつながりがあります。今回は「クックパッド」「食べログ」 アプリの時間帯アクティブ率をみることで、ユーザーの行動パターンの予測をしました。

クックパッドのユーザー動向から、土曜日が最も飲食店の利用が増える事が分かりました。また、食べログのユーザー動向から予定を立てる水曜や木曜にかけてアプリが利用されている事が分かりました。

これらのデータをもとにお店のメッセージやメルマガ配信などでも

  • 予約に関する情報は水曜日・木曜日の夜に来店促進のメール配信や、キャンペーン情報を公開する
  • 現地を調べている金曜日や土曜日に「ただいまタイムサービス中」などのメッセージを配信する
  • 外食の傾向が少ない平日のご予約の方に特典をつける

など、来店促進に活かしてみてはいかがでしょうか?